今回は、村上春樹著『村上ラヂオ』を紹介します。
日常の小さなあれこれも、村上春樹の手にかかれば、ほら、何だか洒脱なエッセイに。
小説とはまた違う、村上ワールドへようこそ。
『村上ラヂオ』のあらすじ
『村上ラヂオ』は、雑誌『anan』に1年間にわたって連載された短い文章を書籍にしたもの。
村上春樹が『anan』かぁ……、と不思議な気持ちになったりもします。
村上さん自身も、「なぜ自分が」「(ananの)読者層に合っていないのでは」と戸惑ったようです。
しかし、さすが、村上春樹。
ひとたび言葉を紡げば、そこは一瞬にして村上春樹のフィールドに。
何でもない日常の一コマが、ちょっとしたエッセイになっています。
『村上ラヂオ』の感想・レビュー
『村上ラヂオ』は気合を入れて読む本というよりは、リラックスした服に着替えて、ベッドやソファーでゴロゴロしながら読む本、という感じです。
どのエッセイも、日常にある風景を切り取ったもので、「よくこのありふれた題材を美味しく料理できるなぁ」と、相手はあの村上春樹なのだから感心することも変なのですが、びっくり驚嘆してしまうのです。
書かれていることは特別な何か、スペシャルな何かではないはずなのに、楽しく村上ワールドという非日常に飛ばされてしまいます。
言うなれば、スーパー銭湯といった感じ。
本質はお風呂なんだけれど、そこのお風呂は家のお風呂とは違う非日常。
そして、この本も、不思議とスーパー銭湯の休憩所によく似合う。
『村上ラヂオ』の持つゆるい雰囲気がそう思わせるのかもしれません。
50篇ありますが、どれも短い文章なので空いた時間にサクッと読めてしまいます。
1冊もとても薄い本なので、飽きずにサッと読み終えることができるでしょう。
その点、読書に不慣れな人も安心な1冊。
こんな人におすすめ
- 村上春樹のエッセイを読んでみたい人
- 気軽にサクッと本を読みたい人
- リラックスできる本を読みたい人
まとめ
スーパー銭湯がなぜかよく似合う、村上春樹のエッセイ、『村上ラヂオ』。
電車での移動中や、ちょっと時間が空いた時にサクッと読めるのが魅力のエッセイです。
日常の一コマを物語に変える、村上マジックをご覧あれ。