森岡督行『ショートケーキを許す』感想・レビュー ~許すとは愛すること~

『ショートケーキを許す』

 今回の記事では、森岡督行著『ショートケーキを許す』を紹介します。

 ショートケーキへの深い愛情を感じる、繊細で熱いエッセイです。

『ショートケーキを許す』感想・レビュー

 タイトルを見たとき、最初はショートケーキが苦手な人のエッセイなのかと思いました。

 ショートケーキが苦手で、何かのきっかけでショートケーキが好きになった人なのかと思ったのです。

 ところがどっこい、森岡さん、ショートケーキ大好きな人でした。

 日本各地の美味しいショートケーキを紹介してくれています。

 併せて、ショートケーキにまつわる思い出やエピソードも。

 ショートケーキの魅力や、その美味しさをより一層味わうための食べ方を教えてくれます。

 一口にショートケーキと言っても、お店によってその姿や美味しさはさまざま。

 その個性を繊細に伝えてくれるので、どのお店のショートケーキもなんだかかわいらしく見えてきます。

 ショートケーキが大好きな人でなくても、思わずショートケーキを食べるためにお店に行きたくなるでしょう。

 ショートケーキへの愛に溢れた表現は繊細でありながら、大胆で独創的。

 本当に心からショートケーキが大好きでなければこの表現は出来ないだろう、と思うような文章がきらきらと宝箱の中のように輝いています。

 こんなに愛を込めた文章を読んでいると、ショートケーキへの見方が変わります。

こんな人におすすめ

  • スイーツが好きな人
  • 何かをとても愛している人
  • 独創的なエッセイを読みたい人

まとめ

 「許す」ってどういうことなんだ?と思っていたら、「許す」ということは「愛する」ということだとこのエッセイで教わりました。

 数あるケーキの一つだとしか認識していなかったショートケーキが何だか特別な、お姫様のような存在に思えてきます。

 何かを徹底的に「愛する」ということは、簡単には出来ないですが、だからこそ、何かを徹底的に「愛している」人は一層輝いていて、美しいのでしょう。

 その熱が、一見「変」に思えるとしても。

 今度、ショートケーキを食べに行こう。